
ワールドカップのグループステージ最終戦では、すべての試合が同時刻にキックオフされることをご存じだろうか。「なぜわざわざ同じ時間に試合をするの?」と思ったことがある人もいるかもしれない。その理由は非常にシンプルで、公平性を保つためだ。もし一方の試合が先に終わってしまえば、後から試合を行うチームは結果を知った状態で戦えるため、引き分け狙いや守備的な戦い方など、有利な戦術を選択できてしまう可能性がある。
しかし今回、日本代表が戦うグループでは、その原則が崩れる可能性が浮上している。日本代表はスウェーデン代表とのグループステージ最終戦に臨む予定だが、同時刻開催となっているオランダ代表対チュニジア代表の試合が、悪天候によって大幅に延期される可能性があると報じられている。
試合会場では雷雨や大雨が予想されており、現地では洪水への警戒も強まっているという。アメリカでは落雷に対する安全基準が非常に厳しく設定されており、一定範囲内で雷が確認された場合は試合を開始できない。そのため、天候次第では数十分の遅れでは済まず、数時間単位でキックオフが延期されるケースも十分に考えられる状況だ。
もしオランダ対チュニジア戦の開始が大幅に遅れ、日本対スウェーデン戦が先に終了した場合、オランダは日本戦の結果を把握した状態で試合を進めることになる。例えば、日本が勝利した場合と敗れた場合では必要な勝ち点や得失点差が変わるため、試合運びや交代策、攻撃の姿勢にも影響を与える可能性がある。これはワールドカップという最高峰の舞台では決して小さな問題ではない。
実際、このような公平性の問題は過去にも起きている。1982年ワールドカップでは、西ドイツとオーストリアが試合途中から互いに利益となる結果を維持するような試合運びを見せ、アルジェリアが決勝トーナメント進出を逃した。この出来事は「ヒホンの恥辱」と呼ばれ、世界中から大きな批判を受けた。その反省を踏まえ、FIFAは現在のようにグループステージ最終節を同時開催するルールを導入したのである。
私自身もワールドカップでは毎大会欠かさず日本代表を応援しており、最終節ではスマートフォンで他会場の速報を確認しながら観戦することが多い。同時開催だからこそ最後まで順位が分からず、どのチームも同じ条件で戦っているという緊張感がある。その空気感こそがワールドカップの醍醐味だと感じているだけに、天候という避けられない事情とはいえ、一方の試合だけが遅れてしまうのは少し複雑な気持ちになる。
もちろん、安全を最優先する判断は必要不可欠であり、無理に試合を開催すべきではない。しかし一方で、グループ突破を争う重要な試合だからこそ、可能な限り公平な条件で戦える環境が整うことを多くのサポーターが望んでいるはずだ。
日本代表にとって最も大切なのは、他会場の結果に左右されず、自分たちの力でスウェーデン戦に勝利することである。それでも、同組で行われるオランダ対チュニジア戦の開催時間や天候の状況が、グループ全体の順位争いに大きな影響を与える可能性があるのは間違いない。
ワールドカップでは選手の実力や戦術だけでなく、時には天候という予想外の要素が大会の流れを変えることもある。日本代表の試合はもちろん、オランダ対チュニジア戦の動向や現地の天候にも注目しながら、グループステージ最終戦を見届けたい。
引用
https://news.yahoo.co.jp/articles/0bfd041903b63397392f80d1462a00e6050f9725

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