
ミラノ・コルティナ五輪で女子スピードスケート1000m金メダル、500m銀メダルを獲得したオランダのスター、ユッタ・レールダム(27)が実際に着用したレーシングスーツが、オークションで19万5000ユーロ(約3600万円)という驚きの価格で落札された。
報じたのはオランダメディアのNL Times。今回の金額は、同プラットフォームで扱われた単一アイテムとしては史上最高額で、サッカー界のスーパースターであるクリスティアーノ・ロナウドの出品アイテムをも上回ったという。
このスーツは、五輪期間中に実施されたチャリティーオークションに出品されたもの。オランダオリンピック委員会とスポーツ連盟が、スポーツ用品専門サイト「マッチウォーンシャツ」と連携し、代表選手19名のアイテムを公開した中でも、最も注目を集めていた。
締め切り1時間前までの最高入札額は約1万ユーロ(約184万円)にとどまっていたが、ラスト1時間で2人の入札者が激しく競り合い、一気に20万ユーロ目前まで高騰。最終的に19万5000ユーロで落札された。購入者はオランダ人とみられているが、詳細は明かされていない。
このスーツは、1000mで金メダルを決めたゴール直後のシーンでも話題となった一着。胸元のジッパーを下げる姿がSNSで拡散され、大きな注目を集めた。背景にはスポンサー契約の事情があったとされる。オランダ代表の公式スポンサーはフィラだが、レールダム個人はナイキと契約。五輪では公式スポンサー以外のロゴ露出が制限されるため、レース後のパフォーマンスが戦略的なアピールだったとの見方もある。
女性アスリート専門の広告代理店「ブランスリート」創業者フレデリク・デ・ラート氏は、レールダムがナイキとの契約で約100万ドル(約1億5400万円)規模の契約金を得ている可能性に言及している。
なお、今回の売却益の大半は、レールダムが幼少期に所属していたクラブ「パイナッケル氷上競技協会」に寄付される予定。記録にも記憶にも残る“伝説の一着”は、次世代育成への大きな支援へとつながることになりそうだ。
同クラブは地域に根差した育成組織として知られ、これまでも多くの若手選手を輩出してきた。今回の寄付金は、リンク使用料の補助や用具の整備、ジュニア世代への遠征費支援などに充てられる見込みで、経済的理由から競技継続を断念する子どもたちを減らす一助になると期待されている。
レールダム自身も過去のインタビューで「今の自分があるのは、幼い頃に支えてくれたクラブやコーチのおかげ」と語っており、今回の決断には強い恩返しの思いが込められているとみられる。
トップアスリートの競技用アイテムがここまでの高額で落札されるのは極めて異例だが、その価値は単なる“話題性”だけではない。五輪の金メダルを決めた瞬間に身にまとっていた歴史的アイテムであること、そして世界的スターへと成長したレールダムの象徴的存在であることが、入札者の心を動かしたのだろう。
スポーツの名場面がチャリティーという形で未来へ還元される――。今回の落札劇は、アスリートの影響力とスポーツの持つ社会的価値を改めて示す出来事となった。
引用
https://news.yahoo.co.jp/articles/7f531202c2da7dc8338672197383d3261f841729

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