
「WBC準々決勝、日本代表・侍ジャパン-ベネズエラ代表」(14日、米マイアミ)
侍ジャパンのエースとして先発マウンドに上がった山本由伸投手が、4回4安打2失点、5奪三振の内容で降板した。準々決勝の球数制限は80球と定められていたが、日本ベンチは69球の時点で交代を決断。大会の投球制限ルールにより、この登板をもって山本は今大会の役目を終える可能性が高くなった。
WBCでは1試合で50球以上投げた投手は中4日以上の休養が必要とされる。仮に日本がこの試合に勝利して準決勝、決勝へ進んだとしても日程の関係で登板間隔が足りず、山本が再びマウンドに上がることはルール上できない状況となった。
試合は初回から激しい展開となる。山本は先頭打者のアクーニャと対戦し、1ボールからの2球目、155キロの直球を捉えられる。打球は右中間スタンドへ運ばれ、いきなりの先頭打者ホームランで1点を先制された。しかしその後は落ち着いた投球で後続を抑え、初回を1失点で切り抜けた。
続く2回は先頭のトーバーに中堅フェンス直撃の二塁打を許し、さらにトーレスにも左翼フェンス直撃の適時二塁打を浴びて追加点を奪われる。アブレイユには四球を与え無死一、二塁とピンチを広げたが、ここから山本が踏ん張る。ペレスを右飛、チョウリオを空振り三振、そして初回に本塁打を浴びたアクーニャを二ゴロに打ち取り、最少失点で切り抜けた。
3回にも先頭のガルシアに長打を許し再び得点圏に走者を背負う苦しい場面を迎えたが、ここでもエースの真価が発揮される。アラエスを内野ゴロで進塁打に打ち取ると、4番E・スアレスと5番トーバーを2者連続空振り三振。強力なベネズエラ打線を力でねじ伏せ、スコアボードにこの日初めて「0」を刻んだ。
するとその裏、日本打線がエースを援護する。1死一、二塁のチャンスで佐藤輝明が右翼線へ鋭い当たりの適時二塁打を放ち同点。さらに途中出場の森下翔太が左翼スタンドへ豪快な勝ち越し3ランホームランを叩き込み、一気に試合の流れを引き寄せた。
味方の逆転劇にベンチから大きな拍手を送った山本は、4回のマウンドへ。先頭のトーレスを遊ゴロに打ち取ると、続くアブレイユを空振り三振、ペレスを見逃し三振に仕留める完璧な投球。3者凡退でこの回を締めくくると、マウンド上で力強く雄たけびを上げた。
この試合を最後に登板機会がなくなる可能性が高い中、山本はエースとしての役割を十分に果たしたと言える投球だった。
山本は今大会、日本の初戦となった台湾戦でも先発を任されていた。1次ラウンドでは65球の球数制限の中、2回2/3を無安打無失点に抑える好投を見せ、チームに勢いをもたらした。ピッチクロック違反を取られる場面もあったが、落ち着いた投球で世界一連覇を目指す侍ジャパンを力強く支えてきた。
準々決勝で役割を終える形となったものの、山本の力投はチームにとって大きな財産となった。エースが築いた流れを受け継ぎ、侍ジャパンがこのまま頂点へと突き進むことができるのか。世界一を懸けた戦いは、いよいよ佳境を迎えている。
ベンチに戻った山本には、チームメートからねぎらいの言葉が次々と送られた。国際大会という独特の緊張感の中で、エースとしてマウンドに立ち続けた右腕の存在は、侍ジャパンにとって精神的な支柱でもあった。短いイニングながらも、世界屈指の強力打線を相手に要所を締める投球は、チームに大きな安心感を与えていた。
特にこの試合では、初回の先頭打者本塁打や二回の失点など、流れが相手に傾きかける場面が何度もあった。それでも山本は動揺することなく、持ち味であるキレのある直球と落差の大きいフォーク、鋭い変化球を駆使して粘り強く投げ続けた。三回に見せた連続三振は、その実力を改めて印象づける場面だった。
また、ベンチで試合を見守る姿も印象的だった。交代後も真剣な表情で試合の流れを見つめ、味方が好プレーを見せると大きく拍手を送るなど、最後までチームの一員として戦い続けていた。エースとしての責任感とチームへの思いが伝わる姿に、スタンドの日本ファンからも大きな声援が送られていた。
今回の大会では、投球数制限や登板間隔など厳しいルールが設けられているため、先発投手が長いイニングを投げることは難しい。それでも山本は限られた球数の中で最大限の力を発揮し、チームの勝利に向けて重要な役割を果たした。メジャーリーグでも活躍する実力を国際舞台でも示し、侍ジャパンの投手陣をけん引する存在となった。
この先、日本代表はさらに厳しい戦いを迎えることになる。準決勝、そして決勝へと進めば、世界の強豪国との激しい戦いが待っている。山本自身がマウンドに立つことは叶わなくても、彼の投球がチームにもたらした勢いと自信は確実に残っている。
侍ジャパンはこれまで幾度も逆境を乗り越え、世界一へと近づいてきたチームだ。エースが築いた流れを胸に、残された投手陣と打線がどこまで戦い抜くことができるのか。世界の頂点を懸けた戦いは、いよいよ最終局面へと向かっていく。
引用
https://news.yahoo.co.jp/articles/752a0cfc9baddaca2b0b05425629bfa3a9a39b3d

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