
野球世界一を決める大会、ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の準々決勝で、日本代表「侍ジャパン」がベネズエラに5―8で逆転負けを喫し、ベスト8で大会を去ることとなった。試合後、井端弘和監督の采配をめぐり、野球関係者やファンの間で様々な議論が起きている。
舞台となったのは米フロリダ州マイアミのローンデポ・パーク。日本は序盤から激しい打撃戦を展開した。
初回、先発した山本由伸が先頭打者のロナルド・アクーニャJr.にいきなり先制本塁打を浴びる苦しい立ち上がり。しかしその裏、日本はすぐさま反撃する。
大谷翔平が豪快な一発を放ち、試合を振り出しに戻した。
その後再びリードを許した日本だったが、3回に試合が大きく動く。大谷が申告敬遠で歩かされると、チャンスは一死一、二塁へ。ここで佐藤輝明がライト線へ同点タイムリーを放ち、さらに森下翔太がレフトスタンドへ勝ち越しの3ランホームラン。日本は一気に試合をひっくり返し、流れを引き寄せた。
一方、先発の山本も3回以降は本来の投球を取り戻す。
先頭打者に長打を許したものの、そこから6者連続で打ち取り、ベネズエラ打線を封じ込めた。球数は69球。大会で設定されている80球の制限まで、まだ余裕があった。
しかしここで井端監督は思い切った決断を下す。
4回終了時点で山本を降板させ、5回から隅田知一郎を投入したのだ。
この継投が結果的に試合の流れを大きく左右することになる。隅田はベネズエラ打線につかまり、マイケル・ガルシアに2ランホームランを浴びて1点差に迫られた。さらに日本の中継ぎ陣はベネズエラの強力打線を抑えきれず、一発攻勢を受けて逆転を許してしまう。
専門家の間では
「山本は立ち直っていた。あと1イニング任せても良かったのではないか」
という声が多く上がった。
さらに議論となったのが、終盤の攻撃での采配だ。
7回のチャンスの場面で打席に入ったのは若月健矢。ベンチには代打の切り札も残っていたが、井端監督はそのまま打席に送った。この判断についても
「流れを変えるために代打が必要だった」
「捕手を交代させたくなかったのでは」
など様々な意見が飛び交っている。
試合は最後まで粘りを見せた日本だったが、あと一歩届かず。最終回、最後の打者となった大谷の打球は高く舞い上がり、ショートのグラブに収まった。
試合後、大谷は淡々と悔しさを口にした。
「本当に悔しいの一言です。勝てる要素は多かった試合だったと思います。優勝以外は失敗。結果的にそうなるんじゃないかと思います」
3年前、同じ球場で世界一を決めた歓喜の瞬間とは対照的な結末となった今回の敗戦。
継投、代打、そして中継ぎ陣の層の問題――。
侍ジャパンの敗退は、改めて短期決戦における采配の難しさを浮き彫りにした試合となった。
試合となったこの一戦は、侍ジャパンにとって多くの課題を浮き彫りにする内容でもあった。特に議論の中心となったのが、投手起用とベンチワークだ。短期決戦では一つの判断が試合の流れを大きく左右するだけに、今回の継投や代打のタイミングについては、試合後も多くの解説者やファンの間で意見が分かれている。
まず大きなポイントとして挙げられているのが、先発を務めた 山本由伸 の交代タイミングだ。山本は立ち上がりこそホームランを浴びるなど苦しんだが、3回以降は持ち前の制球力とキレのある球で立て直し、ベネズエラ打線を連続で打ち取っていた。球数もまだ余裕があり、もう1イニング続投させても問題なかったのではないかという声が多い。
しかし、指揮官の 井端弘和 監督は早めの継投を選択。大会の球数制限や、相手打線が強力であることを考慮し、リリーフ陣で試合をつなぐ判断を下したとみられる。ただ結果としては、ここから流れが少しずつベネズエラ側へと傾いていった。
5回に登板した 隅田知一郎 がホームランを浴びて点差を詰められると、ベネズエラ打線は勢いづく。メジャーリーグで活躍するスター選手を多く揃える強力打線は、日本の中継ぎ陣に対して積極的なスイングを仕掛け、徐々にプレッシャーをかけていった。
特に存在感を見せたのが、メジャーでもトップクラスの実力を誇る ロナルド・アクーニャJr. を中心とした打線だ。長打力とスピードを兼ね備えた攻撃は、日本の投手陣にとって常に脅威となり、終盤にはついに逆転を許してしまう。
また、攻撃面でも議論となったのが7回の場面だった。チャンスで打席に入ったのは捕手の 若月健矢。ここで代打を送るかどうかが一つの分岐点だったが、ベンチはそのまま打席に向かわせる判断を下した。捕手を交代させることで守備面に影響が出ることを考慮した可能性もあるが、「流れを変える代打を出すべきだった」という声も少なくない。
こうした一つ一つの判断が積み重なり、試合の流れは最終盤まで拮抗した状態で進んだ。日本も決して諦めることなく反撃を試みたが、ベネズエラの投手陣も踏ん張りを見せ、簡単には得点を許さない。
そして迎えた最終回。
最後の打席には、この大会でもチームの中心として戦ってきた 大谷翔平 が立った。球場全体の視線が集まる中、大谷はフルスイングで打球を高く打ち上げた。しかしその打球はショートのグラブに収まり、試合終了。ベネズエラの選手たちは歓喜に包まれ、日本の挑戦はここで幕を閉じた。
試合後、大谷は悔しさをにじませながらも冷静に試合を振り返った。
「本当に悔しいの一言です。勝てる要素は多かった試合だったと思います」
この言葉が示すように、日本にとって決して完敗ではなかった。むしろ紙一重の勝負だったからこそ、采配や継投の判断が大きくクローズアップされる結果となった。
3年前の大会では、この同じ球場で歓喜の瞬間を迎えた侍ジャパン。しかし今回は、あと一歩届かない悔しい結末となった。
それでも世界トップクラスのチームと互角に渡り合った戦いは、多くの課題とともに今後への可能性も示したと言えるだろう。
今回の敗戦を糧に、日本代表が次の国際大会でどのようなチーム作りを進めていくのか。
侍ジャパンの新たな挑戦は、すでに始まっている。
引用
https://news.yahoo.co.jp/articles/96b71d7cb28f92ec08cb0915a3daa94938c2a9f3

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